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AEDの普及により救われる命が増加

公共の場への自動体外式除細動器(AED)設置が、心臓発作の予後改善に有効であることが日本の研究で示された。全国的にAEDの普及が進んでいる日本では、近くに人がいる状況で心調律異常による心停止を来した患者の約14%、さらにAEDによる処置を受けた人の31.6%が、神経後遺症をほとんど残さず回復していることが明らかにされた。

 今回の研究は、AEDの設置拡大が心停止後の生存率向上をもたらすことを示した初めての研究であり、AEDの重要性を強調するものであると、研究著者の一人である京都大学保健管理センターの石見拓氏は述べている。また、この研究では心肺蘇生法(CPR)の有効性も示されており、「もし突然倒れた人を見かけたら、救急およびAEDが到着するまでに少なくとも胸部圧迫を実施してほしい」と同氏は付け加えている。

 日本でのAED設置数は、2005年の9,906台から2007年には8万8,265台まで増加している。今回の研究では、病院外で心停止を来した31万2,000人を超える患者のデータを検討。1万2,631人が心室細動(AEDによって除去できる)を来し、かつ発作時に近くに人がいたことが判明した。

 このうち一般の人がAEDを使用した例は3年間で3.7%となっており、研究開始時の1.2%から終了時には6.2%と、AEDの設置が増えるに従って利用数も増加した。患者がAEDによる処置を受けるまでの平均時間は3.7分から2.2分に短縮されたほか、神経障害をほとんど残さず回復した患者の数は人口1,000万人あたり2.4人から8.9人に増加した。この研究は、米医学誌「New England Journal of Medicine」3月18日号に掲載された。

 今回の研究では、AEDおよびCPRの有用性が示される一方、いずれも躊躇(ちゅうちょ)する人が多いことが判明。AEDを積極的に使用した人は7%、CPRを実施したのは50%にとどまった。「目の前で死にそうな人を見るのは恐怖を伴うものであり、パニックになって除細動器の利用やCRPの実施を怖いと感じるかもしれないが、AEDは全く初めての人でも簡単に使うことができる。CPRも誰でも実施できる。重要なことは、やろうとすることだ」と米シカゴ大学メディカルセンターのDana Peres Edelson博士は述べている。同氏は「CPRを実施するには、まず救急に通報した後、両手を重ねて胸骨の上に置き、強く、速く押し続け、救助が到着するまで止めてはならない」と説明している。



http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20100325hj000hj
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